こんにちは、そしてこんばんは。
整体のひらいトータルボディケア御殿場院です。
今日は施術を受けている患者様から聞かれたことがある「筋膜リリースとマッサージは何が違うのか?」についてお伝えしますね。
施術を受けている側からすると、明確な違いは分かりにくいと思います。しかし、筋膜リリースとマッサージには明確な違いがあります。
筋膜リリースは筋膜、マッサージは筋肉
筋膜について
筋肉の周りには筋膜という膜が覆っています。例えるなら、筋肉をサランラップで包んでいるような感じです。もしくは全身タイツを着ているようなイメージです。重要なのが、この筋膜は全身を覆っていて、全部つながっています。
つまり、どこかの筋膜が固くなるとそれに引っ張られて、全身の筋膜も少し固くなるということです。全身覆っているサランラップの肩の部分を少し引っ張ると、足のほうにも引っ張られているのが分かるような感じですね。
そして、この筋膜は主85%の水分とにコラーゲン繊維とタンパク質で作られています。
筋肉だけではなく、内臓や血管なども覆っています。筋肉の浅い部分を覆っているのは浅筋膜と言い、もう少し深い部分は深筋膜と言われています。
TVでも言われていますが、筋膜は不動の状態(長時間のデスクワークや立ち放しの状態)だと固まって癒着をすると言われております。筋膜が癒着を起こすと、筋膜にしわが寄りコリや痛みや痺れなどの症状が表れたりします。
筋膜リリースはこの固まっている筋膜を柔らかくすることを目的としています。リリースをして筋膜のしわを伸ばすようなイメージですね。
マッサージについて
それに対してマッサージは、筋肉を柔らかくすることを目的としています。特に筋肉を覆っている筋膜のしわを伸ばす目的ではなく、全身の固まっている筋肉を狙ってほぐすことを目的にしてます。
筋膜を柔らかくするのに、筋肉をマッサージすれば周りを覆っている筋膜を柔らかくなるのでは?と思うかもしれません。
しかし、結論から言うと、柔らかくなりません。
ソーセージをイメージしてもらうと分かりやすいと思うのですが、ソーセージの中に詰まっている肉が筋肉で、周りの皮が筋膜です。中の肉をもんでも、周りの皮は滑って動くけど柔らかくはならないと思います。周りの皮を柔らかくするには滑らせたり、引っ張る必要があるのです。
ですので、マッサージは筋肉をほぐしたり、筋肉内の血液にたまった疲労物質を流すことを目的にしてます。筋膜は表層なのでマッサージでは筋膜をほぐすことを目的としてません。
施術の方法が違う
マッサージ
マッサージはどちらかというと、もんだり押したりという施術になります。
筋肉の血流を良くしたいし、柔らかくしたいので、筋肉をつかんで横に動かしたり、縦に動かしたり、引っ張ったり押したりします。
これによって、筋肉の中の血流が良くなり、筋肉内に溜まっている老廃物が流れて、スッキリしたりコリがなくなったりするのです。
筋膜リリース
筋膜リリースの場合は、先程のソーセージの説明でも少し触れましたが、筋膜を引っ張って伸ばしていく施術が中心となります。マッサージのように動かすこともありますが、それだと筋膜は伸ばされないので柔らかくなりません。
なので、ソーセージの皮を引っ張るようにつかんで、伸ばして動かしていくような施術になります。
ひらいトータルボディケアの場合
癒着していたり固まっている筋膜のしわを、筋膜マニュピレーションという手技で伸ばしたり緩めたりします。また、癒着が頑固の場合は、数分間筋膜を8方向に動かして、熱で癒着を溶かすことをしたりします。
固まっている部分の特定は、痛みが出る動きや可動域が固い動きをしてもらい、何か所かの固まりやすい筋膜を押して、痛みが軽減するか、可動域が拡大するかで判断します。痛みが軽減したり、可動域が拡大する箇所が癒着をしている可能性が高いので、そこを集中的にリリースしていきます。
マッサージは一箇所、筋膜は全身
筋膜の場合
筋膜というのは、全身つながっています。何種類かそのつながるラインというのがあります。そのつながっている筋膜ラインのことをアナトミートレインと言い、12本あると言われております。
例えば、体の後ろ側をつないでいる筋膜はバックラインといい、首の後からふくらはぎにかけて筋膜で覆われています。脚の内側からお腹の中を通って首までつないている筋膜ラインを、ディープフロントラインと言います。
これは筋膜繊維でつながっているので、バックラインだったらふくらはぎの筋膜を引っ張ると、首の後ろの筋膜も伸ばされるということであり、ディープフロントラインのように太ももの内側を引っ張ると、お腹の中の筋肉(腸腰筋)も引っ張られるということです。
この繋がりが12本あるので、症状が出ている個所から離れたところが原因ということも多々ありあす。
筋肉の場合
それに対して筋肉というのは、全身つながってなくてその部分だけが固くなります。
とは言っても、筋膜のように足から頭までつながっていることはあまりないのですが、筋連結と言って、となり同士の筋肉がつながっていることはあります。
例えば肩こりで固くなりやすいのは肩や首の筋肉で、この筋肉が足に影響を与えることはあまりありませんが、肩の筋肉(三角筋)と、肩こりの原因の筋肉(僧帽筋)は筋連結でつながっています。なので、三角筋をたくさんつかうと、僧帽筋も一緒に固くなるので、肩がこることがあります。
ひらいトータルボディケアの筋膜の施術
先ほどもお伝えしましたが、当院ではアナトミートレインという12本の筋膜のラインで考えています。なので、1本1本の筋膜ラインのどの部分がこりや痛みに影響を与えているのかを検査します。
先ほどのディープフロントラインが原因と推測した場合、太ももの内側の筋膜を緩めて、首を回したりすると首の可動域が広がったりします。この場合は、首の固さは首に原因があるのではなく、太ももの内側に原因があるということが分かります。
癒着している部分が分かったら、その部分をアスタリスク状(8方向)に動かして、さらに固く動きにくい部分を見つけます。固い方向が分かったらその部分を集中的にリリースします。
リリースした後は再び体の動きで、施術の効果を検証します。
このように筋膜リリースとマッサージは大きな違いがあります。
もし自分はどちらを受けたほうが良いかわからない場合は、お気軽にお近くの整体院や接骨院にお問い合わせください。
執筆・監修
ひらいトータルボディケア御殿場院
理学療法士 平井重人
フジ虎ノ門整形外科病院で8年間勤務
2013年に御殿場市にひらいトータルボディケア御殿場院を開業